水冷エンジンのバイクのメンテナンス方法を解説
バイクの点検では、エンジン整備のためにクーラント(冷却水)の交換が必要です。
クーラントの状態を常に最適にしておくことで、いつでも安心してバイクで楽しむことができます。
そこで、本記事では、バイクのメンテナンス方法、交換手順や時期について解説します。
目次
水冷エンジンのクーラントとは
クーラントとは、バイクのエンジン温度の上昇をコントロールできる冷却水のことです。
エンジンが高温になったまま走行しているとオーバーヒートを起こしてエンジンが止まってしまいます。
そこで、クーラントでエンジン内を循環させることでエンジントラブルを防ぐことができます。また、クーラントのタンク内を最適にしておくことで、錆の発生やエンジンやパーツの劣化を防ぎます。
クーラントのメンテナンス
日頃のバイクの点検には、タンク内の状態の確認も必要です。
クーラントは、年数とともに徐々に蒸発するため、点検を怠ってしまうと冷却機能が低下してエンジントラブルを引き起こします。
したがって、日常的にクーラントの状態を確認することが必要です。
※クーラントの日常点検のチェックポイント
- 水温計の警告灯:赤く点灯しているか確認する
- 水温計の針:Hマーク手前の目盛りに近くなっているか確認する
- 冷却水の残量:冷却水の量を確認して必要に応じて補充する
- タンク内:錆や汚れで冷却水が濁っていないか確認する
クーラントの交換手順
クーラントの交換について、手順を紹介します。特に、温度に関わる部分でもあるため、火傷やケガのないように十分注意して行いましょう。
古い冷却水を廃棄する
まずはじめに、補助タンクの中の古い冷却水を捨てます。ついでにタンク内のよごれを清掃しておくと、冷却水の残量が見やすく補充がしやすくなります。
冷却パイプ内の冷却水を排出する
ラジエーターキャップを外してキャップやパッキンが劣化していないかチェックし、交換が必要か確認しましょう。
続いて、メガネレンチを使ってドレンボルトをゆるめて濁った部分を排出します。
古い冷却水の廃棄については、有害物質が含まれているため、そのまま流すことはできません。冷却水を凝固剤で固め て、お住いの自治体のゴミ出しルールにそって廃棄処分してください。
冷却パイプ内を洗浄する
次に、ドレンボルトを緩めたままにして、冷却パイプ内の汚れを清掃します。
続いて、ドレンボルトを締めて冷却水を入れ、エンジンによってタンク内を循環させて、濁り水が無くなるまで水道水で洗浄を行います。
タンク内をキレイに洗浄した後、ドレンボルトを締めてから、新しく冷却水を補充します。
ドレインボルトを取り付ける
冷却パイプ内の洗浄が終わったらドレンボルトを締めます。ボルトワッシャーも新しいものに交換しておくと良いでしょう。
新しい冷却水を入れる
リザーバータンクの目盛りや既定値に合わせて、つぎ足して補充します。
タンクの量については、表示の満タン以上にならないように適量に気を付けましょう。
エア抜きを行う
冷却水を入れ、一度エンジンをかけてタンク内を循環させて残っている空気をエア抜きします。
エア抜き弁付きの場合は、エア抜き弁を調整するだけで簡単にエア抜きができます。
バイクのクーラントが劣化するとどうなる?
タンク内の残量を点検せずに放置しておくと、以下のようなトラブルの原因になります。
- エンジンが高温になってオーバーヒートを引き起こします
- エンジンが熱くなりすぎて白煙や異臭・異音が出てきます。
- アクセルを開けていないとアイドリングを保つことができなくなります
- エンストしやすくなりエンジンの寿命を短くします
バイクのエンジンにダメージを与えないように、交換時期をしっかり確認して対応しましょう。
水冷エンジンのクーラントの交換時期
冷却効果が低下する前にタイミングよく交換しましょう。
交換時期の目安は、およそ2〜3年です。新しい車種のバイクの場合は、およそ3年〜5年くらい維持できるものもあります。
ただし、目安の交換時期よりも早く異常が見られた場合は、早めに交換して対応するようにしましょう。
例えば、クーラントが変色して外に流れてきた場合、ラジエターキャップがサビてきた場合などが異変を知らせる状態です。
水冷エンジンのメンテナンスに関する疑問
バイクのエンジントラブルを回避するためにも、よくある疑問について解消しておきましょう。バイクに異変が起きたときやトラブル時に役立ちます。
冷却水の代わりに水道水は使える?
水道水を代わりに使うのは、緊急対策の場合に限って利用するようにしましょう。
例えば、ツーリング中にエンジントラブルが起きた際は、水道水で応急措置をしても大丈夫です。できるだけ水道水を日常的に使用するのは控えましょう。
例えばレース用のバイクには、冷却水の代わりに水道水を使用しています。
レース用のバイクは専門のメンテナンススタッフが常時、対応しているため、水道水でも問題ありません。
ただし、一般のバイクに関しては、こまめにリザーバータンクの洗浄をできないため、水道水を使い続けることで、タンク内の錆や汚れが付きやすくなります。
水道水にはカルシウムなどのミネラル成分が含まれているため、タンク内で目詰まりを起こしやすくなりますので、冷却水を使った方が安心です。
冷却水の色の違いは?
冷却水は、赤、緑、青、ピンクなど色つきになっています。
色つきである理由は、バイクの外側に漏れが起きた場合に、すぐに目につきやすくするためです。また、タンク内の残量が一目でわかるという利便性もあります。
色が付いていれば、錆や濁った場合の変色もわかりやすいということもあります。
色別の性能に ついては、以下の特徴を持っています。
- 赤・緑:エチレングリコールが主成分。2年~3年ごとの交換が必要です
- 青・ピンク:プロピレングリコールが主成分。7年~10年の交換が必要です
なお、色の違う冷却水を混ぜて利用すると、黒色に変色し濁った場合にわかりにくくなるので、単品ごとに使うようにしましょう。また、交換時期の違うものを混ぜてしまうと性能が乱れてしまうので気を付けましょう。
冷却水の交換でエンジントラブルを防ぎましょう
バイクのエンジントラブルをなくすためにも、バイクを購入してから2、3年を目安に冷却水の交換を行いましょう。
交換のタイミングについては、日頃からの点検を行って、タンク内の汚れや残量をチェックし適切な状態で維持できるように心がけましょう。
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安全で快適なバイクライフのために、自分でできるメンテナンスは積極的に行い、専門的な整備は信頼できる業者に依頼することで、より充実したライディングを楽しむことができます。